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死別の再婚が難しいと言われる3つの理由

死別後の再婚は、通常の再婚とはまた違った難しさがあります。相手の心の中には亡くなったパートナーが今も生き続けており、気持ちの整理に時間がかかるケースも多いです。
ここでは、死別再婚が難しいと言われる主な理由を3つ紹介します。
パートナーへの未練が残っている

死別した方にとって、前のパートナーとの関係は「終わった」のではなく、「突然奪われた」ものです。
喧嘩やすれ違いではなく、突然のお別れによって愛する人を失ってしまった悲しみは計り知れません。亡くなった相手への愛情が今も強く残っている場合、新たな恋愛に心を向けるのは簡単なことではないのです。
頭では「前を向かなきゃ」と思っていても、心がついていかないことも多いのです。あなたが好意を抱いていても、相手が気持ちに整理をつけられていなければ、恋愛として進展させるのはむずかしい場面も出てきます。
無理に踏み込まず、相手のペースを大切にする姿勢が求められます。
失う怖さを知ってしまった

一度、大切な人を亡くした経験がある人は、「また誰かを好きになっても、いずれ失うかもしれない」という恐怖心を抱いていることがあります。
恋をすること自体が怖いと感じてしまうのは、パートナーを深く愛した証拠でもあります。再び心を通わせることに前向きになりたくても、「また同じ悲しみを味わいたくない」とブレーキがかかってしまうのです。
相手の心の扉を開くには、「いつか失うかもしれないからこそ、今を大切にしたい」と思ってもらえるような関係づくりが重要になります。
子育てに全力を注いでいる

死別後に子どもがいる場合、再婚よりもまず「子どもを守る」ことに意識が向いていることも珍しくありません。親としての責任感や、子どもへの愛情から、恋愛や再婚は「後回し」と考える方も多いです。
また、子どもが亡くなった親を思っている気持ちを大切にして、あえて新しい恋を避けるケースもあります。
そんな相手に無理に恋愛を求めるのではなく、「あなたの大切なものを一緒に守りたい」という姿勢で寄り添うことが、信頼関係につながっていきます。
死別を経験した方の体験談
死別を経験した方が、どのような想いで日々を過ごし、恋愛や再婚に向き合っているのか、実際の声を知ることで、相手の心に寄り添うヒントが見えてくることもあります。
ここでは、死別後の苦しみや再出発までの道のりを語ってくださった2人の体験談をご紹介します。
妻を交通事故で亡くして以降無気力に…

「30代後半で妻を交通事故で突然亡くしました。あの日から生活が一変してしまい、何をしても心に穴があいたような感覚で。仕事にも集中できず、食事をとることすら面倒になってしまいました。
友人からの誘いも断ってばかりで、ただただ時間が過ぎるのを待つだけの日々。そんな中、ある女性と知り合い、何気ない会話をするようになったんです。
最初は警戒していたけど、無理に踏み込んでこない姿勢に安心できました。『また笑える日が来るかもしれない』と思えたのは、その人のおかげです。」
病気で夫を失い子どもだけは守り抜くと決意

「夫が病気で亡くなったとき、子どもがまだ小学生でした。涙を流す間もなく、毎日を生き抜くことに必死でした。夫の死を受け止められないまま、『お母さんが頑張らなきゃ』と自分に言い聞かせる日々です。
恋愛や再婚なんて考える余裕はまったくなかったです。でも、子どもが高校生になった頃、『ママも幸せになっていいんだよ』と言われて…。その言葉に背中を押されて、初めて自分のことを考えられるようになりました。今は新しい人と少しずつ関係を育てているところです。」
死別後に再婚できた方はわずか10%未満
死別を経験した人のなかで、再婚に踏み出す人は実はそれほど多くありません。とくに年齢を重ねるごとに、新しい恋愛に進むまでのハードルは高くなります。
ここでは、再婚率が低い理由について、心の面と環境の面からそれぞれ見ていきましょう。
簡単に立ち直ることはできない

愛する人との死別は、ただの別れとはまったく違います。「終わりにした」のではなく、「突然終わってしまった」関係だからこそ、心の整理には想像以上の時間がかかるのです。
日々の生活のなかでふとした瞬間に思い出がよみがえり、涙があふれてしまう…。そんな経験を何度も繰り返して、ようやく少しずつ前を向けるようになるのが現実です。
「もう何年も前なのに」と思う人もいるかもしれませんが、時間が経ったからといって気持ちがすっきりするとは限らないのです。
その深い喪失感に向き合いながら日々を生きているため、誰か新しい人と関係を築くまでには、たくさんの心の葛藤があります。
いい出会いがなければ再婚に踏み出せない

再婚を考えるには、ただタイミングが合うだけでは足りません。信頼できて、一緒にいると安心できる相手との出会いがなければ、「もう一度パートナーを持とう」とはなかなか思えないものです。
とくに死別を経験した人にとっては、「この人なら過去も含めて受け入れてくれる」と感じられることがとても大切になります。見た目や条件だけで近づいてくる相手に対しては、どうしても心を開けないのが本音です。
本当の意味で理解しようとしてくれる人との出会いがあれば、少しずつ「再婚してもいいかもしれない」という気持ちが芽生えてくるかもしれません。
出会いがないから再婚していない、という方も多く存在しています。
死別から立ち直るまでの期間はどれくらい?
死別の悲しみを乗り越えるには、人によってかかる時間が異なります。「いつになったら立ち直れるの?」と焦る必要はありません。
ここでは、一般的に言われている目安について紹介します。
一般的には4年半ほどと言われている

配偶者と死別した人が精神的に安定し、前向きに生きようとできるまでには、およそ4年半から5年かかるとされています。
初めの1年は喪失感が強く、なかなか眠れなかったり、何をしても楽しく感じられなかったりする人も多いです。2年目以降になると、少しずつ感情の波が穏やかになり、「仕事に集中できるようになった」「趣味を再開してみた」など、小さな変化が見え始めることもあります。
そして4年〜5年ほど経つ頃にようやく、「人と向き合ってみたい」「恋愛も悪くないかも」と思える瞬間が訪れることもあるのです。
このように、死別からの回復にはある程度の時間がかかるということを理解しておきましょう。
長ければ10年以上かかることもある
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一方で、亡くなったパートナーへの想いが強い場合や、突然死や事故などの受け止めきれない死だった場合には、心の回復に10年以上かかる方もいます。
「元気そうに見えるから大丈夫」と思われがちですが、ふとした瞬間に涙がこぼれることもあるのです。無理に忘れようとしても、思い出はそう簡単に消えるものではありません。
中には、再婚という選択肢は持たず、パートナーの記憶と共に生きる人生を選ぶ方もいます。だからこそ、死別経験者と向き合う際にはと急かさないことが大切です。
心が癒えるまでのペースは人それぞれですので、焦らず見守る姿勢を大事にしましょう。
死別を経験した方と付き合う際の注意点
死別を経験した相手とお付き合いを考えるときは、相手の過去や気持ちにしっかり寄り添うことが欠かせません。配慮に欠けた言動は、知らず知らずのうちに相手を傷つけてしまうこともあります。
ここでは、付き合う際に気をつけたいポイントを3つに分けてご紹介します。
バツイチ扱いするのはNG

死別でパートナーを亡くした人は、確かに戸籍上はバツイチですが、離婚とはまったく意味合いが異なります。離婚はお互いの合意や選択で関係を解消したものですが、死別は「別れたくて別れたわけじゃない」ケースです。
だからこそ、同じ「バツイチ」として雑にひとくくりにするのは避けたほうがよいでしょう。「あなたもバツイチなんだから気楽に考えたら?」などと言ってしまうと、相手の深い傷を軽く扱っているように受け取られてしまいます。
言葉選びひとつで信頼を失うこともあるので、「死別」という背景を尊重した接し方を心がけることが大切です。
死別した元妻に嫉妬しない

相手の心の中には、亡くなった元パートナーへの愛情が残っているかもしれません。それは恋愛感情とはまた違う、大切な記憶として刻まれているものです。
その存在に嫉妬してしまう気持ちがわくこともあるかもしれませんが、「今でも想ってるの?」「忘れられないの?」と問い詰めたり、比較したりするのは絶対に避けましょう。
あなたは今、目の前にいるその人の“これから”を共にする存在です。過去の思い出に敵意を向けるのではなく、「その経験があったから、今のあなたがいるんだね」と受け止めることが、信頼を築く第一歩です。
子どもの意向を尊重する

死別した相手にお子さんがいる場合、再婚を考えるうえで子どもの気持ちはとても大切なポイントになります。いきなり“新しい家族”として踏み込もうとすると、子どもにとっては大きなストレスになることもあるからです。
まずは、子どもの存在を理解し、「急がず、ゆっくりで大丈夫だよ」と伝えてあげましょう。相手が子育てに重きを置いている場合は、「あなたの大事なものを大切にしたい」という気持ちをきちんと伝えることが大事です。
家族として関係を築いていくには時間が必要なので、無理に好かれようとせず、自然な関係を築いていくことが、長い目で見て良い結果につながっていきます。
死別したパートナーが美化されていると…
死別を経験した人の中には、亡くなったパートナーの記憶を美化してしまう方もいます。それ自体は悪いことではありませんが、恋愛や再婚を考えるうえでは思わぬ壁になることもあるのです。
ここでは、パートナーの記憶が理想化されていることで起こりやすい問題について紹介します。
ふとした瞬間の言動を比較されてしまう

新しく付き合い始めても、「元の奥さんはこうだった」「あの人ならこんなことしなかった」と、過去のパートナーと比べられてしまうことがあります。
悪気がなくても、ふとした瞬間に出てしまう言葉が、こちらの心にチクリと刺さることもあるでしょう。「今を大事にしたいのに、いつも過去の人と比べられている気がする」と感じると、関係に疲れてしまうこともあるかもしれません。
ただ、それはあなたが劣っているという話ではなく、相手の心の整理がまだ終わっていないだけかもしれません。
そのような時は、「私は私」と割り切って自らと元パートナーを比較しないようにしましょう。
優先順位が下がってしまうことも
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亡くなったパートナーの存在があまりにも大きいと、今の関係において「自分は二番手なのかな」と感じてしまう場面が出てくることがあります。
たとえば、命日のたびに落ち込んでいたり、遺品を大切に飾っていたりすると、「まだ心の中はその人でいっぱいなんだな」と不安になることもあるでしょう。
でも、過去の思い出と今のあなたは、別物です。相手がパートナーを大事に思っていた気持ちを否定せずに、「私もあなたにとって特別な存在になれたら嬉しいな」と伝えることで、ふたりの距離はぐっと縮まっていきます。
無理に忘れさせるのではなく、新しい想い出を一緒に重ねていくことが、自然な歩み寄りになります。